なぜありのままがいいのか?−ヴァンナチュールが教えてくれる自然体でいい理由。

ここ数年、映画などでも話題になり、「ありのまま」が大切といったことが一般的になりました。では、なぜありのままがいいのでしょうか?

その理由は、現代社会では、世の中の価値観に囚われて、多くの人が自分らしく生きることができなくなっていることが背景にあります。

本当の自分でなく、他の誰かが作った人生を歩む、まさに、「アナと雪の女王」のエルサの状態になると、息苦しくなっていきます。

そんな時、ふと立ち止まり、「本当の自分はどうしたいのか?」に気づくことが大切です。そして、必要ないものを削ぎ落としシンプルに自然体になることで、魂がイキイキと輝きはじめます。

ありのままがいいという理由は、ヴァンナチュール(自然派ワイン)に学ぶことがたくさんあります。

ヴァンナチュールとは、農薬や化学肥料を使わない方法(ビオディナミ)で栽培したぶどうを使用し、人工的に手を加えない自然な方法で醸造されたワインのことをいいます。

ワインは、一般的に酸化を防ぐための酸化防止剤や、ワインの透明度をあげるための清涼剤などを加えワインの質を一定に保たれています。

こういった現代的な製法は、ワインの質を良い状態で保てる良い面もある反面、ぶどう本来の個性が消えてしまうといったデメリットもあります。

ワインはぶどう100%で作られる飲み物です。人工的な手を加えない方がぶどう本来の個性やテロワールをより感じられるワインになります。

出来上がったワインは、一般的に良くないとされる酸化のニュアンスがありオレンジがかった白ワインになるものもあったり、常識的には良くないとされる、濁ったワインも多くあります。

しかしながら、オレンジや濁ったワインが本当に不味いのかというとそうではありません。

最近では、オレンジワインがブームとなっています。オレンジワインとは、そもそもは白ワインの分類ですが、皮や種を一緒に漬け込んだり、酸化防止剤不使用で自然な発酵をしたり、清涼剤を使用しない方法で造られているため、色が濃いオレンジ色になったワインのことです。

この常識外れのワインのおいしさに多くの人の心が動かされました。ぶどうそのものが全面に表れるまさしく「ありのまま」のワインは、深みがあり、呑んでいて疲れない身体にじわっと染み込みます。

ぶどうを人の手でコントロールしないことで、素晴らしい力を発しエネルギーが溢れたワインになるという人もいます。

あなたも何かにコントロールされず、自分のありのままを出すことで今まで以上の何かみなぎるパワーがでてくるかもしれません。

他人の評価なんて気にしない!−自由を楽しむヴァンナチュール

ヴァンナチュールは、人の評価も気にしません。

ワインには、格つけというものがあります。

格付けの階級が高いほど高品質で、価格も高いとされています。 

世界には、国によって決められたワイン法というものがあります。格付けは、その中のワインの「品質」を示す基準とされています。

例えばEU諸国では、「A.O.P. 原産地名称保護ワイン」「I.G.P. 地理的表示保護ワイン(地酒)」「S.I.G. 地理的表示のないワイン(テーブルワイン)」となり、A.O.Pが一番グレードの高いワインという指標になっています。

また、一部の地域では、独自の格付けを定めている地域があります。フランスのボルドーやブルゴーニュ地方が有名です。

ボルドーは、生産者(シャトー)に対して格付けされており、ブルゴーニュはぶどうの栽培された畑によって格付けされています。プルミエクリュ(一級)などと呼ばれるものは、ボルドーやブルゴーニュの格付けに使用される階級の呼称となります。

階級に認定されるには、決められた基準をクリアしなければなりません。その基準は、使用できるぶどうの品種や製造方法など、様々です。

規定外のぶどうや製造方法でつくられたワインは、認定はされません。例えば、ピノ・ノワールで造ったものしか認定されない格付けの場合、他のぶどう品種でワインを造ると、その格付けから外れてしまうことになります。

しかしながら、規定外の方法で造られたワインが、上級の格付けのものと同等の品質であることは少なくありません。

そういったワインは、高品質ながら、格付けの基準をクリアしていない為、上級の格付けには認定されず、最下級のテーブルワイン、あるいは格付け対象外として売られることになります。

つまり、「格付けが低いから、あるいは認定外のワインは品質が悪い」ということは実は絶対的ではないのです。

ヴァンナチュールは、上級の格付けがされていないことや、むしろ認定外であることがよくあります。

ヴァンナチュールの生産者は、格付けよりも、自分がどういうワインを造りたいかにこだわりを持ち、ビジネス目的だけではなく、土壌を大事にし、ぶどう栽培から手間をかけ丁寧に高品質なワインを造っています。

そんなワインは格別で、今までの常識を覆されるような自由で個性的なものが多く非常におもしろいです。

ヴァンナチュールのように、他人が作った評価ではなく、自分がどのようにありたいかを大切にし、もっと自由を楽しんでみてはいかがでしょうか?

ユニークって素晴らしい!−個性を楽しむヴァンナチュール

ヴァンナチュールは、ありのままの特徴が現れていてそれが非常に個性的で飽きがこないのも魅力です。

ワインは一般的に、品種によって特徴が分類されています。世界的に主要とされている品種の特徴を少しご説明しますね。

白ワイン

リースリング: 透明度が高く、キリッとした酸と蜂蜜のような甘い香り

ソーヴィニヨンブラン: 白いお花の香りが高く、フルーティな味わい

シャルドネ: 醸造方法により特徴に変化があるが、バターやパイナップル、ミネラルや苦味を感じる。

赤ワイン

ピノ・ノワール: 色が淡く、酸味がある。タンニンが低め。

カベルネ・ソーヴィニヨン: 色が濃く、タンニンが強くしっかりと重厚。

シラー: タンニンが強く重め。黒胡椒のニュアンスがある。

ヴァンナチュールは、こういった概念を全く気にせず自由に造られています。「本当にこれがリースリング?」と言ってしまうような、ユニークなものもあります。

さらに、聞いたことのないような品種がたくさんあります。

ヴァンナチュールには、その土地ならではの土着品種が多く使われています。イタリアでは、500種以上と最も多くの品種が存在しています。

今まで安価なワインに使われていたものや、酒精強化ワインなどに使われていた品種まで自由に使用されています。

造り方も個性的なものが多く、壺を使って発酵させたり、搾かすを加えて発酵させたり独自の方法でワインが造られています。

エチケット(ワインのラベル)もネーミングも個性的なものが多くおしゃれでジャケ買いしたり、プレゼントにもおすすめです。

自由でユニークなヴァンナチュールは本当に魅力的で、印象に残ります。人も個性がある方が印象に残りますね。

ヴァンナチュールのように、コンプレックスといわれるようなことも、個性に変えるとそれが魅力になるはずです。

まとめ

ヴァンナチュールに学ぶありのままの素晴らしさ。ご理解頂けましたか?

あなたも、是非今日から、ヴァンナチュールのように、自由に自分らしく生きることを意識してみてください。キラキラと魂が輝きだすことでしょう!