皆さん、こんにちは!『Wine’s Heart』でライターを担当している石関華子です。いつも当サイトをご覧いただき、ありがとうございます。

ところで、当サイトをご覧のワイン好きの皆さんは、日本酒はお好きでしょうか?実は、日本酒にはワインと似ている点がいくつもあるのです。そこで、この記事では、かつて都内大手百貨店のお酒売り場での勤務経験があり、日本有数の酒どころである高知県在住の私が、日本酒の基礎知識やワインとの類似点、そして楽しみ方などをお伝えしていきます。「日本酒にも興味がわいてきた!」という方は、ぜひ参考にしてください。

日本酒とは

日本酒は主に米、米麹、水を原料とするお酒です。これらの原料を発酵させて造られることから、ワインと同じ「醸造酒」に分類されます

日本酒の起源については様々な説がありますが、西暦1世紀頃の中国の書籍に日本酒に関する記述が確認されており、少なくとも2,000年以上もの長い歴史があると言えるでしょう。

日本酒の製法や種類

日本酒は酒税法の基準に従って造られた「特定名称酒」と、それ以外の「普通酒」の2つに大別されます

居酒屋などで見かける「大吟醸」や「純米酒」といった記載がある日本酒は、すべて「特定名称酒」です。この「特定名称酒」は原料や製法の違いにより、次の8種類に分けられます。これを理解しておけば、日本酒を選ぶのが一層楽しくなりますよ!

名称原料精米歩合(※1)特徴等
吟醸酒米、米麹、
醸造アルコール(※2)
60%以下吟醸香
(フルーティーで華やか)
大吟醸酒米、米麹、
醸造アルコール
50%以下吟醸香、薫り高い
純米酒米、米麹米本来の旨味や甘み
純米吟醸酒米、米麹60%以下吟醸香、米本来の旨味や甘み
純米
大吟醸酒
米、米麹50%以下吟醸香、米本来の旨味や甘み
最も華やかなタイプ
特別純米酒米、米麹60%以下または
特別な製造方法
米本来の旨味や甘み
製法による特徴が出る
本醸造酒米、米麹、
醸造アルコール
70%以下スッキリとした口あたり
特別
本醸造酒
米、米麹、
醸造アルコール
60%以下または
特別な製造方法
スッキリとした口あたり
製法による特徴が出る

(※1)精米歩合…玄米をどれくらい削り取ったかを表す数値のこと。「精米歩合60%」とは、玄米を40%削り取ったことを意味しています。基本的に、削り取る割合が多いほど、軽快できれいな味わいに仕上がる傾向です。ちなみに削り取られた米は、米粉としておせんべいの原料に使われたりしています。

(※2)醸造アルコール…アルコール添加用に用いられるアルコールのこと。

日本酒とワインは似ている?

日本酒にも「テロワール」の違いがある

ワインの味わいは、産地の気候風土など、その土地の個性ともいえる「テロワール」に左右されます。では、日本酒の場合はどうなのでしょうか?

日本酒の味わいには杜氏(造り手)の技術も大きく影響しますが、その土地ならではのコメの品種や水、土壌、気候、それから食文化なども、その地の日本酒の味わいに影響を及ぼしています

そのため、日本酒もワイン同様に、産地ごとの個性、つまり「テロワール」が楽しめるお酒なのです。

おいしさのもとはアミノ酸

日本酒にはワインと同様に、有機酸やアミノ酸などの成分が含まれています。実は、これらの成分が、ワインや日本酒の旨味を形成しているのです。

ワインも日本酒も、調味料として料理に使うことがありますよね。それは、これらの旨味成分が、料理に奥深い味わいを与えるからなのです。

日本酒と料理のペアリング

ワインと料理を組み合わせることを「ペアリング」と言いますが、日本酒もワインと同様、料理と合わせて楽しめるお酒です。ここでは、お酒のタイプ別に相性の良い料理をご紹介します。

純米酒に合う料理

お米のふくよかな旨味が楽しめる純米酒には、肉を使った料理や、しっかりとした味付けの料理がよく合います。例えば、すき焼きや豚の角煮、肉じゃが、魚の煮つけなどとは抜群の相性です。

吟醸酒に合う料理

フルーティーで華やかな香りが持ち味の吟醸酒には、素材本来の香りや味を活かしたような料理を合わせるのがおすすめです。例えば、天ぷらや刺身、寿司、魚の塩焼きなどの料理が特によく合います。

本醸造に合う料理

端麗辛口で清涼感のある味わいの本醸造には、あっさりとした味わいの料理や酢を使った料理を合わせるといいでしょう。特に冷ややっこや枝豆、酢の物、鯵の南蛮漬けなどとよく合います。

海外進出する日本酒

最近では海外でも日本酒と料理のペアリングを提供するようなレストランが増えています。また、海外で日本人が日本酒造りをおこなったり、あるいは外国人が日本で日本酒造りをおこなうなどという動きもあり、その注目度はますます高まっています

そのため、国際的に活躍したい方にとっては、日本酒が必須の知識になるということもあるかもしれません。今後も日本酒の動向から目が離せませんね。

まとめ

日本酒の基礎知識やワインとの類似点、楽しみ方などをお伝えしました。なお、日本酒に関連する話題についても、今後コラムなどでお伝えしていければと考えています。ぜひ皆さんも、この機会に日本酒の魅力を再発見してみませんか?

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