このシリーズでは、見た目も中身も一層輝く素敵な女性になれるような「おうちワイン術」を紹介していきます。
シリーズ第14回目は、今月のボージョレ・ヌーヴォー解禁に先立ち、おうちでボージョレ・ヌーヴォーを楽しむ「おうちワイン術」。もちろん予備知識なしにも楽しめるボージョレ・ヌーヴォーですが、その歴史や産地、ブドウなどへの理解が深まれば、より一層特別なものに感じられるようになります。
そこで、今回の記事では、おうちでボージョレ・ヌーヴォーを飲むひとときが、これまで以上に楽しく感じられるような予備知識をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
目次
そもそもボージョレ・ヌーヴォーって何?
いまや日本でも広く浸透し、すっかり秋の風物詩となっているボージョレ・ヌーヴォー。
「これまでは解禁につられて、なんとなく飲んでいたけど、実はよくわかっていない…。」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで、まずは今更聞けない、ボージョレ・ヌーヴォーとは何か、というところからお話しします。
ボージョレ・ヌーヴォーは「ボージョレの新酒」
ボージョレ・ヌーヴォーとは、フランスのブルゴーニュ地方の南部に位置するボージョレ地区で、その年に収穫されたブドウで造られたワインのことをいいます。
「ヌーヴォー」とはフランス語で「新しい」を意味する言葉。そのため、ボージョレ・ヌーヴォーを直訳すると、「ボージョレ地区の新酒」となるのです。
ちなみに、一般的なワインは、数か月~数年の熟成期間を経ているため、ブドウを収穫した年の翌年以降にリリースされます。一方、ボージョレ・ヌーヴォーの場合、特殊な醸造方法で造られることもあり、たったの2か月前後の熟成でリリースされるのが大きな特徴です。
ボージョレ・ヌーヴォーはブドウ品種も決まっている!?
ボージョレ・ヌーヴォーは原料に使用するブドウ品種も定められています。その品種は、「ガメイ」という赤ワイン用のブドウ品種です。そのため、ボージョレ・ヌーヴォーは赤ワインかロゼワインのみで、白ワインはありません。
というのも、ボージョレ地区の土壌は主に花崗岩や片岩から構成されており、この土壌が「ガメイ」の栽培に適しているのです。
ボージョレ・ヌーヴォーの味わいの特徴は?
ボージョレ・ヌーヴォーの最大の持ち味といえば、フレッシュな果実のフレーバーでしょう。先述のように、ボージョレ・ヌーヴォーは熟成期間が2か月前後と短いこともあり、フレッシュな印象のワインに仕上がるのです。
また、ボージョレ・ヌーヴォーのブドウ品種である「ガメイ」も、花や赤い果実を思わせるチャーミングな香りや、フレッシュかつフルーティーな味わいのワインを生み出す品種なので、そのような「ガメイ」の個性も反映されています。
また、ボージョレ・ヌーヴォーは赤ワイン特有の渋みが穏やかなので、渋い赤ワインが苦手な方や、ワインを飲み慣れていない方にも馴染みやすい味わいと言えるでしょう。
ボージョレ・ヌーヴォーにはどうして解禁日があるの?
ボージョレ・ヌーヴォーには「解禁日」というものがありますね。ボージョレ・ヌーヴォーの「解禁日」は、11月の第3木曜日と定められています。小売店や飲食店は、この日の午前0時をまわらないと、消費者に対してボージョレ・ヌーヴォーの販売をすることができません。
では、なぜボージョレ・ヌーヴォーには解禁日というものがあるのか、その歴史を掘り下げていきましょう。
もともと解禁日はなかった?
もともとボージョレ・ヌーヴォーは、ボージョレ地区の収穫を祝う祭りで捧げられたことにはじまったと言われています。そして、ブドウの収穫からわずか2ヶ月ほどで飲めるワインということで、 世界中のワイン愛好家から注目されるようになりました。
けれども、早く飲めるワインとして人気が高まるにつれ、生産者達が我先にと自分のところのワインを早く出荷しようとしたのです。この早出し競争が激化した結果、粗悪なワインがたくさん出回るようになり、ボージョレ・ヌーヴォーの品質の低下を招いてしまいました。
2度の変更を経て定められた解禁日
このような状況を憂えたフランス政府は、生産者に公正な競争をさせるべく、1967年にボージョレ・ヌーヴォーの解禁日を11月11日と制定。この日にならないと販売できないような仕組みを作り出しました。こうして、ボージョレ・ヌーヴォーの品質と格が保たれるようになったのです。
その後、解禁日は「サン・マルタン」という聖人の日である11月15日に変更されましたが、ある不都合が生じます。それは、フランスでは小売店も飲食店も日曜休みのところが多いので、解禁日が日曜日に重なってしまうと、解禁日当日に飲めなくなってしまう、ということです。それを受け、1984年に現行の11月の第3木曜日と変更されたのでした。
日本は一足お先に解禁!?
ボージョレ・ヌーヴォーに解禁日が定められた主な目的は、生産者に公正な競争をさせ、ボージョレ・ヌーヴォーの品質と格を保つことにありますが、解禁日は私たち消費者にも「解禁パーティー(最近は「ボジョパ」などとも呼ばれます)」を開く楽しみをもたらしてくれます。また、日本では時差の関係で、フランスよりも約8時間早く楽しむことができるのも魅力です。
今年は大勢で集まることが難しくなっているので、おうちで家族や恋人、ごく親しい友人と一緒に「今年の味」を味わってみてはいかがでしょうか?
まとめ
ボージョレ・ヌーヴォー解禁に先立ち、ボージョレ・ヌーヴォーの基礎知識をお伝えしました。事前にボージョレ・ヌーヴォーへの理解を深めておけば、おうちでボージョレ・ヌーヴォーを飲むのが一層楽しくなるはずです。
ぜひ今年のボージョレ・ヌーヴォーと共に素敵なひとときを過ごし、キラキラの笑顔を輝かせてくださいね♪
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